- 2009年2月26日 10:28
- 動物
「クマはぎ」甘い樹液なめるため...宇都宮大・小金沢教授より
クマが木の樹皮をはがす「クマはぎ」行動について宇都宮大の小金沢正昭教授(野生鳥獣管理学)のグループが、「糖分を含む樹液をなめる採食行動の一つ」との研究結果をまとめた。
クマはぎは、樹勢が衰えたり、枯死したりする原因として全国の山林で問題になっているが、クマが樹皮をはぐ理由は、はっきりしていなかった。
小金沢教授のグループは、栃木県佐野市内の民有林で2007年6月、高さ10メートルの樹上に自動撮影の赤外線カメラを設置し、クマはぎの現場を撮影することに成功。その分析を行い、昨年11月に長崎県で開かれた野生生物保護学会で掲示発表した。
写真には、夜間に体長約1・8メートルのクマが、直径30センチの杉の根元から高さ約1メートルにわたって皮をはぎ、樹皮の内側にある甘皮をなめる様子が写っていた。
小金沢教授によると、5月から6月中旬にかけて糖分を含む樹液が最も多く、クマはぎの被害もこの時期に集中しているという。
クマが根元の樹皮をかんで、上に向かってはがすこともわかり、小金沢教授は「被害対策には、防除ネットを根元ぎりぎりから巻く必要がある」としている。
林野庁によると、クマはぎなど、クマによる樹木の被害面積は2006年度に全国で460ヘクタールが確認されている。
NPO法人日本ツキノワグマ研究所(広島)の米田一彦理事長は「被害が深刻な人工林でクマはぎの本格的な撮影に成功したのは国内で初めてではないか。クマに対する知識を積み重ねることで被害対策につながるだろう」と話している。
◆「クマはぎ」とは◆ 木の樹皮をはぎ取るツキノワグマの習性のひとつ。主に5月から7月にかけて見られ、樹皮を失った樹木は商品価値が失われ、ひどい場合は枯死する。樹皮をはぐ理由として、採食行動説のほか交尾期のメスへのアピール説などがある。
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