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火山 Archive
世界有数の活火山 浅間山、数年先まで要注意
- 2009年2月24日 10:18
- 火山
群馬・長野県境の浅間山(2568メートル)は、世界でも有数の活火山だ。今月2日の噴火は規模は大きくなかったが、火口から100キロ以上離れた東京都心などでも降灰が観測された。過去には、溶岩流と火砕流で約1500人が死亡する大噴火も起こしている。浅間山がどのようにして形成され、現在はどんな状態にあるのか。東大地震研究所の武尾実教授に聞いた。(伊藤壽一郎)
■3つの火山が複合
東大地震研による噴出物の分析や宇宙線(ミュー粒子)による山体内部の観測結果から、2日の浅間山噴火は、火口からマグマが噴出したわけではなく、熱で膨張した水蒸気が吹き出した水蒸気爆発だとみられる。最近では昨年8月と2004(平成16)年9月にも噴火が観測されており、火山列島・日本の中でも浅間山の活動は活発だ。
「約10万年前、現在の火口の西約1キロで噴火が起こり、標高約2800メートルの黒斑(くろふ)火山が形成された。これが浅間山の始まりです」
武尾さんによると、続いて約2万年前に今の火口とほぼ同じ地点に仏岩(ほとけいわ)火山ができた。さらに約1万年前、ほぼ同じ場所に前掛(まえかけ)火山が噴き上がり、現在と同様の形になったという。浅間山は3つの火山の複合火山なのだ。以後、活発な火山活動が続き、1108(天仁元)年と1788(天明3)年に大噴火が発生。天明の大噴火では、噴出したマグマが固まって鬼押し出しができた。その後は静穏化したが、20世紀に入って活発化し、1973(昭和48)年、83年、04年、20年に活動が記録されている。
■板状マグマの存在
「04年9月の噴火以降、地震計データの解析で、浅間山のことがいろいろとわかってきた」と武尾さんは話す。そのひとつがダイクと呼ばれる「板状マグマ」の存在だ。火口から西北西の地下(火口からの深さ約3000メートル)に、地中深くから上昇してくる板状のマグマ溜(だ)まりが存在するのだという。
「マグマがさらに突き上げてくると、あふれた分が火口へと進み、噴火につながっていく」
マグマが上昇するとき、岩に亀裂を入れて突き進むため、微小な地震が発生する。その震源を解析することで、マグマの通り道も見えてきた。1996年以降は、GPS(衛星利用測位システム)で浅間山北側の群馬県嬬恋(つまごい)村嬬恋と、西側の長野県東御(とうみ)市東部の距離変化も観測している。2点間の距離の伸び縮みから、地中のマグマの動きが推定できるという。マグマの供給が増えてダイクの厚みが増すと山体が膨らんで距離が伸び、逆に供給が減ると収縮すると考えられる。
「2点間の距離が縮みから伸びに転じると、浅間山の火山活動は活発化している。04年も08年もそうだったし、今年も1月に縮みが止まり、おやっと思っていたら2月に噴火した」
今後の活動について、武尾さんは、「マグマの供給は続いており、数年先まで注意していく必要があるだろう」としている。
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